増田親弘

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増田親弘

JICA専門家(チーフアドバイザー)

CJCCのチーフアドバイザーを務めています増田親弘と申します。カンボジアの赴任は2回目で、1回目の赴任は約20年前、その時にはJICAカンボジア事務所でCJCCプロジェクトの立上げを担当していました。現在のCJCCの活動範囲は、立ち上げの頃とは比べられないくらい多岐にわたっていて、20年という時間の長さを実感するとともに、ここまでCJCCを大きく育ててきた先人達の努力と献身に敬意を払わずにはいられません。このような環境で、また仕事ができることに感謝しています。

 

CJCCの活動の柱は主に3つあります。ビジネスプログラムでは、主にカンボジアの民間企業やスタートアップを対象にビジネストレーニングの提供やビジネスパートナーシップ構築のお手伝いをしています。日本語プログラムでは、日本や日本文化に関心を持つ人や日本留学を目指す人、また、日系企業向けに質の高い日本語教育を提供しています。文化&教育交流事業では、日本とカンボジア間の文化交流及び教育交流を促進するイベント等を実施しています。このような取り組みを通じて、日本とカンボジア、そして両国の人々をつなぐプラットフォームになることを目指しています。

 

CJCCは、2004年に事業を開始し、2024年に20年周年を迎えました。3本柱のうち、ビジネスの分野については、ビジネスを通じてカンボジアの社会経済の発展に貢献しようとする、多くの同じ志を持つ企業やスタートアップの方々と学び合いを続けてきていました。そして、その過程で、講師陣、メンター、アドバイザーや投資家、CJCC卒業生の皆様と、深いネットワークを築いてきました。この20年間で構築した広範なネットワークは、他の機関にはないCJCCの最大のアドバンテージの1つであり、私たちの最大の財産の1つです。


 日本には200年以上の歴史を持つ会社が1,200社あると聞きます。そしてその数は、世界の65%を占めるそうです。その主な理由は、これらの企業が地域社会の発展を重視し、自社の利益よりも地域社会の利益を大切にしてきたからだと言われています。その結果、これらの企業は地域社会にとって不可欠な存在となり、長期にわたって存続することにつながっているのです。先行きが不透明で何が起こるか将来の予想が困難なVUCAの時代にあって、息の長い日本式ビジネスの哲学やマネジメントスキルを身につけることは、カンボジアの社会経済にとっても有益ではないかと考えています。

  私は、25年以上に渡ってJICAで国際協力の業務に携わってきましたが、多くのアクターは政府関係者で、相手国政府の能力向上が活動の中心でした。CJCCでは、社会の発展に寄与したいという、志の高い企業経営者、スタートアップ、ビジネス関係者や学生の皆さま等の活動を支えることになります。私にとって新たなチャレンジで身の引き締まる思いです。

 

2度目のカンボジアでの活動の機会を与えていただいたことに心から感謝し、カンボジアので発展に微力を尽くしたいと思います。